対外広報誌

2010年度(社)東大阪青年会議所対外広報誌

東大阪青年会議所対外広報誌

社団法人 東大阪青年会議所 第2回対外誌 ~想いで伝わる青少年教育~

高木 豊 先生 編

2010年2月17日(水)元プロ野球選手、現解説者である高木 豊先生をお招きし青少年教育についてご講演をしていただきました。


(先生の著書父親次第)

高木先生は、独自の視点、理論で自らが経験された子育てについて楽しく分かりやすくお話をいただきました。

『子どもをどのように育てれば、
素晴らしく光り輝かせることができるのか!!』

高木先生には3人の子どもがいますが、長男さんは今年からプロのJリーガーとして活躍されており、次男さんは高校3年生で、昨年行われましたU-17世界大会に出場しブラジル戦において同点ゴールを決めるなどの活躍により、プロのキャンプ、試合にも出場する予定となっております。三男さんは中学3年生、サッカーサテライト(プロの2軍戦)に招待された。
3人の子どもさんたちはそれぞれ活躍できるようになったのは何故なのかということで講演は進んでいきました。

高木先生は、最初子どもが生まれたときに、3人の子どもを育てた方に色々とお話を聞きそれを参考にされたとのことでした。
例えば、最初の子どもが生まれ育てているときに、子どもが泣き出すとどうするか。
多く人は最初の子育てでどうすればよいのか分からず、すぐによしよしと抱っこをしますが、3人目となるとどうでしょう、ある程度子育てにも慣れて、泣き出しても暫くはそのままにしておきますよね。
この子どもが泣くことに対する対応だけでも、今後の成長に大きな影響を及ぼすことになります。 赤ちゃんが泣いているときに、お腹を触るとすごく腹に力が入っています。これにより内臓が強い子どもに育つことができるそうです。 また泣き出しすぐに抱っこをすると、泣くとなんでもしてくると考えるようにもなり子どもが成長するということでした。

『抱っこ禁止!!』

これは非常にユニークな内容でした。 子どもにはよく歩かせること、歩く子は健康に育つということでした。 そのためにも、いい靴を履かせることが重要であります。子どもは成長が早く、サイズの大きめの靴や小さくなった靴を履かせがちになりますが、サイズにあった靴を履かせることにより歩くことの楽しさを覚え健康な体に成長できるということでありました。

『兄弟のバランスを保ち愛情を注ぐ!』

兄弟がいるとそれぞれの個性をもって育ってきますが、長男のプライドを保持しながらバランスを大切にされていることでした。
また、兄ができているのにとか、弟が出来ているのにという言動を発してはいけないことでした。
子どもはみんな、親に褒められたい、見てもらいたいというような愛情を求めている。どういうことかといいますと、兄と弟とでかけっこをしたときの経験談から、同じ位置からスタートすると当然兄が勝ちますが、ギリギリ兄が勝てる距離をハンデとして弟に与え競争させたそうです。結果は、ギリギリで兄が勝つわけですが、これにより弟は兄を尊敬するようになり、兄は弟をしっかり守るという関係が保たれたそうです。

『チームワークを大切にするとは』

このことについて、長年トッププロ選手としてご活躍された高木先生だからこそという興味深い内容のものでした。
多くの人はチームワークと聞くと、みんなで仲良く楽しくすることであるという答えでありますが、高木先生の答えは違いました。
サッカーに例えて、チームメイトが一生懸命運んできた絶好のゴールチャンスのボールを君は空振りをした。このことはチームワークを乱しているということに繋がる。何故かというと、君が下手だったからである、君がもっと上手くなるとそれは得点につながりチームワークはもっとよくなるということでした。
この理屈を子どもが理解することにより、日々の練習で何をすればよいのかということが見えるようになり、自分もチームも強くなっていくということでした。また、チームワークをよくするために、一人で練習し努力することを教えられたそうです。
このように全てのことをチームワークをよくするためにはという部分に繋げて教育をされたそうです。
そして、忘れてはならないのは、それにより結果を出したときには必ず褒めてあげるということでした。

『約束!!』

子どもとの関係をうまく保つために重要なことは、約束を守れるかどうかということでした。
非常に面白い話でしたが、高木先生の子どもさんたちはサッカーの練習から帰宅すると毎日22:30頃で、それから風呂に入り食事をしてから宿題というスケジュールをこなさなければならなったのですが、体力的に宿題ができないということで、学校の先生に宿題ができないといって来いといったそうです。
担任の先生には、『決まりだから駄目だ』 といわれたそうなので、『じゃぁサッカーの練習が休みのときだけやります』と食い下がったそうです、しかし『これも駄目だ』いわれたそうです。しかし三男の先生だけはこれを了承してくれたという話でしたが、この話の本質は、出来ない約束をするなということでした、当然、親子の関係にも約束を守るということが必要ですが、このように教育をすることで家族の中での信頼関係が築かれ嘘をつくことが無くなったそうです。

『岐路!!自分の道は自分で決める』

子どもは成長するにつれ、中学受験・高校受験・大学受験、プロへ入るとき、それぞれの場面において岐路に立たされますが、そのときにどうすればよいのかという内容の話でした。
高木先生の子どもも例外なく岐路に立ち進むべき道の選択を迫れることがありました。
プロサッカー選手になるときにも5つの選択肢がありました。
(1)プロ入り(2)海外チームへ入団(3)大学への進学(4)他チームへの移籍(5)サッカーを辞めるという選択です。
このそれぞれの選択肢に対してよい面と悪い面を説明し、そして自分自身で進む道を決めさせるということでした。親が全てを決めると、失敗したときに親を言い訳にしてしまうが、考えられる範囲でより広く選択肢を与え自分で決めることにより決めたことに対して強く邁進することができるとのことでした。

『スポーツは社会のルールを教える場である。』

親しくなった父兄の方に、うちの子を見に来てくれませんかといわれ見に行ったことがあったそうです。
その両親からの話によりますと、『試合に出れない子どもが不憫で・・・。』ということでありましたが、暫く様子を見ていると、その子はハーフタイムのときには、誰よりも早く試合に出場している選手に水やタオルをもっていき、ベンチからも一生懸命大きな声で声援をおくっていました。
『こんなに一生懸命頑張っているのに、何故試合に出れないのか』と再び聞かれたときに高木先生は『下手だからですよ、しかし社会に出て一番必要なことを学んでいますよ。』と答えたそうです。
子どもに『何を目的にスポーツをさせているのですか、試合に出ることですか、それであれば試合に出れるチームに変わればいいのではないでしょうか、子どもは考える天才であり、親が考えるより自分の置かれた状況をよく考えて行動していますよ』と話されたそうです。スポーツをしているのは親ではなく子どもであるのだから、子どもをもっと信頼してはどうでしょうか、その中で子どもは社会に出てから役立つことを多く学んでくるのではないでしょうかということでありました。
また、高木先生の子どもが、金髪にしたいといったことがありましたが夏休みで学校が休みであればいいよということで、金髪にしたことがあったそうです。
ところが、サッカーの試合中に、明らかに相手のファールなのに自分に対してファールを取られたそうです。『家に帰ると俺のファールではないよね』と聞かれたことに対して『お前の見た目がファールだよ、身なりは大切である、社会とはそのようなものだよ。』と答えました。
しかし、半信半疑の子どもは次に試合にも金髪で出場しましたが、結果は同じことでした。結果帰ってきてすぐに坊主にしたそうです。
やらせてみてどういう結果になるのかを自分で体験させ、納得させることも大事であるという話でした。

『素直になり人の話を聞きなさい』

長い選手生活の中で、給料はチームでNo1、全てのものが揃っており何にも言うことがなく、体調もよくボールは良く見えているときに打率が2割6分8厘と振るわずオールスターに出場できないときがありました。
オールスター中に家であるテレビ番組を見ていた時に、剣道の師範が7段から8段への昇段試験の道のりというドキュメンタリー番組をやっていました。この師範は昇段試験に2回落ちているが、交通事故で亡くなった子どもの『お父さんの8段の姿を見てみたい』という言葉に支えられ続けてきたが、寄る年波には勝てず、墓前で3回目の挑戦で駄目ならあきらめるという場面からはじまりました。
かたや勝ち抜きは合格するが、筆記の試験(8段としての心得)が上手くいかずいつも落ちる状況が続いており、いよいよ筆記試験。取材記者から『なんて書きますか』と訪ねられ『自分の気持ちに素直に書いてきます』と答え試験に挑みました。
試験が終わってから『なんて書きましたか』の問いに対して『己の弱点を認め、素直な心で相手を見ればどこに討ってくるかが分かる』と書き見事に昇段試験に合格されたということでした。
高木先生は、この番組を見て、自分に問いかけ気持ちを開き、様々なことを素直に頭に入れ、心に入れその上で違うと思ったら捨て、これだと思うと取り入れるということを実践され結果シーズン終了時の首位打者争いで2位という成績を残したそうです。
『素直になり弱点を認め、アドバイスを聞く』子どもにも、『素直に問いかけろ、目標はなんであるのか』ということを教育し続けているそうで、反抗期というものはなかったそうです。
また、親子の会話の中で、問いかけると反抗はしないが、命令や指示をすると反抗となるとのことでした。

『会話と観察力』

挨拶に加えて、その挨拶に対してのトーンはどうであるのかという観察力を持つとのことでした。
『いってきます』と『ただいま』 のトーンが違うことがあったときに、この原因を考えると、子どもが何を感じているのかが観てくることがあるそうです。
仕事が忙しくてただいまを聞くことがあまりないかもしれないが、母親と話しをし情報を得て観察し、問題があれば正面から向き合って話しをする。問いかけるときは、テレビを消すことにより大事な話であると察します。そして、一方的な話しをするのではなく、相手の意見を聞きお互いを尊重しながら真剣に話をすることにより子どもはよりよく成長するということでありました。

『挑戦!!』

生きていくうえでも常に挑戦を続けようという話しでした。
現在の自分が置かれている立場が、チームではどうか、地方では、日本では、世界ではと考えることを教えると子どもはグングン成長していくそうです。 子供たちには夢をもって常に挑戦できるように育てていきましょう。

社団法人 東大阪青年会議所
国際広報委員会